テーパリングについて今より1.5倍詳しくなる

アメリカ投資

米国株投資家界隈で今話題になっている「テーパリング」

実際みんな騒いでいるけど、何が問題なのか

わからない方、なんとなく知った気になっている方が大半なのかなと思います

そこで今回は「テーパリング」って何なの?どんなことが起こるの??

って思っている方に向けて、今より1.5倍ほど理解が深まるようにまとめてみます。

今回のPOINT

・コロナ対策のために金融緩和・量的緩和は必要不可欠であり、政策は成功するもインフレに突入した

・そのケジメとして政策金利の上昇とテーパリングが議論に上がっていて、テーパリングについては開始はそろそろなのではないか、と言われている

・8月の雇用統計が大きく予想を下回ることで、テーパリングが遅延すると予想される

新型コロナウイルスのパンデミックによって、市場の混乱、株価の下落が起きたのは記憶に新しいと思います。
株価騰落のグラフ
これに危機感を感じたアメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)は大規模な金融緩和を行い、金利を下げて資金が市場に流れやすくしました。
しかし、金融緩和では市場の回復には至らず、次の手段に出ざるを得なくなります。
それは銀行自らが債券等を買い入れることで市場に資金をばら撒き、資金供給を行う 量的緩和政策というものです。
米国国債買い入れグラフ
出典:米財務省
上図は米国債の発行金額がグラフになったものです。
新型コロナウイルスが流行り始めた2020年3月頃から莫大な増加傾向が確認できます
これらの政策によって、一時的に米国の金融市場は活気を取り戻します
しかし、本当の問題はここからです
市場に資金が溢れたことで、インフレが進んでしまいました。
下図の米消費者物価指数(CPI)を見ると明らかに上昇しています。
この進みすぎたインフレを止めるべく、先ほど述べた
・金融緩和
・量的緩和
この2つの政策に対して、対応策が練られます。
金融緩和に対しては金利上昇、量的緩和に対してはテーパリングです。
金利上昇は、政策金利を引き上げることで経済の過熱、いわゆるインフレを抑える役割があります。
金利が上昇すると、個人や企業は資金調達に苦労することになり、事業縮小を余儀なくされ、業績の悪化から株価の下落が予想されます。
金利上昇の開始時期についてはまだ言及されていません。とりあえず今回はこの程度にしておきます。
目下頭を悩ますべくは、テーパリングだと思います。
テーパリングは、今まで量的緩和により債券が買われていましたが、その量を徐々に減らすといことです。つまり市場にばら撒く資金の量を減らすといことです。
いきなり100から0に減らす訳ではなく、長い時間をかけてゆっくり減らしていきます。
これの何がまずいのか、いまいち伝わらないと思います。
簡単に言うと、現在の動きと逆になる可能性が高いと考えて下さい。
株価、今上がってますよね??
ということはテーパリングで株価は下落することが予想されます。
下落とはいかずとも、現在の資金の流れで米市場が活性化してるので、資金の流れが絶たれれば、少なくとも株価の上昇は鈍化するのです。
過去、リーマンショックの時もアメリカはあらゆる金融政策を実施していました。テーパリングもその1つです。
ではリーマンショックにおけるテーパリングで株価はどのように推移したのか、ダウ平均の推移を確認すると↓のグラフのようになりました。
リーマンショック時のダウ平均
驚くべきことに株価、上昇しているのです。
じゃぁ今回はどうなるんだ、前回と同じように上昇するのか?と聞かれると、なんとも言えません。
リーマンショックの時はアメリカ史上初のゼロ金利政策を導入していたので、今回のケースと単純比較が出来ないなっていうのが私の考えです。
インフルエンサーの中には、すでにテーパリングは株価に織り込み済みという方もいれば、十分に警戒すべきという方もいます。
私自身、月並みではありますがキャッシュポジションを増やしたり、コア・サテライト戦略で投資信託の割合を増やしたりと、僅かながらの抵抗をしていたのです。
しかし9月3日に発表された雇用統計で考え方を改める必要が出てきました。
8月雇用統計
9月3日、アメリカ雇用統計が出されました
ワクチンの普及、コロナとの共生が唱えられ始め、大多数の人が雇用も回復に向かうものと考えていました。かく言う私も雇用の回復を予想していました。
しかしそんな期待は簡単に裏切られます。
8月の結果予想
非農業雇用者数23.5万人増78.8万人増
失業率5.2%5.2%
雇用統計で見るべき点については前回の記事(https://cancan-invest.com/130/)でかみ砕いて書いてますので参照ください。
上記の表で重要なのは赤字で示した部分です。
この結果は前回の数字を大きく下回るものであり、市場で出された予想も大きく下回るものでした。
これによりFRBはテーパリングのタイミングを現時点で失ったものと考えられます。
それでもテーパリングはもうすぐそこまで迫っているので警戒は続けるべきかと思いますが、テーパリング時期が延びた事により、最近はもう少しだけ攻めた投資をしてもいいのかな・・・とも考えています。
次回のテーパリング議論は9/21-9/22に開催されるFOMCで行われると思います。
皆さんもこの会議に注目して自分の資産を守りましょう。
まとめ
テーパリングは必ず来るが、雇用統計の結果から時期が延びることはほぼ確定だと思います。
しかし、市場への注目を怠ると、テーパリングの波を見逃す可能性があり、資産に甚大な被害が出るかもしれないです。
現在は米株は過熱しすぎな感じもするので、ある程度利確して現金化しておくのが吉だと思います。
また次回お会いしましょう
次は持ち株の企業分析でもしようかなと思います。

Profile

ぽんじゅ
ぽんじゅ~医療従事者・ブロガー~
20代後半のOLです
世界経済ニュースに興味を持ち、調べ始めたら止まらなくなって早2年
経済ニュースから投資に役立つ方法を発信していきます
副業ネット事業で月1万の収入を得ています
プロフ画像は相方の力作です

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